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第2 反対株主の株式買取請求手続と株式の評価

3 株式の価格の算定
(2) 収益方式
(イ) 収益方式は、企業のフローとしての収益又は利益に着目して、企業の評価及び株価等を評価する方法です。この方式による評価は企業の動的価値を現し、継続企業を評価する場合、理論的には最も優れた方法であるといえます。その反面、鑑定評価額が将来収益に全面的に依存しており、その根拠が不確実となる欠点が指摘されています。収益方式は、収益を利益として展開する収益還元方式と収益を資金上の収入として展開するDCF法とに分類されます。
(ロ) 収益還元方式は、評価対象会社が将来生み出す収益の現在価値に着目した算定手法です。収益還元方式は、過去の決算数値等から評価対象会社の将来予想収益を推計し、その将来予想収益を資本還元率で現在価値に割り戻すことにより、価格算定を行います。この方式は、経営支配株主又は経営参加株主にとって適当な算定方式であるとされています。
(ハ) DCF法は、企業が将来獲得するであろうキャッシュフロー(現金収支)を資本還元率で現在価値に還元する方式です。この方式が採用された裁判例はありますが(東京地裁平成20年3月14日決定)、適正なDCF法に基づく評価を行うためには、その前提となる事業計画が合理的に算定され、客観的に検証可能であることが非常に重要な要素となります。したがって、事業計画が恣意的な要素や証明可能性の低い前提を含んでいる場合には、妥当な算定を行うことは困難であるといえます。