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第1 非上場株式の譲渡手続と株式の評価

4 判例
(8) 東京高裁 昭59.6.14決定( 事件番号:昭59(ラ)31号 )
(イ) 事案の概要
対象会社甲社の取締役ら3名が従業員を引き抜いて独立開業。その後、株式譲渡の承認を甲社に求めたところ、甲社は同社の代表取締役を買受人に指定。
原決定(簿価)純資産方式を採用。買受人が抗告。
(ロ) 対象企業の特性
(規模)  資本金200万円
発行済株式総数4000株
2店舗を有するが、1店舗につき従業員3名程度。
(ハ) 株主構成
売主3名で全体の42.5%。
買主(同社の代表取締役)の持株数は不明。
(ニ) 採用された算定方式
簿価純資産方式(但し、簿価より返還を求め得ない敷金150万円を控除している。)
売渡請求直近の決算期の簿価を採用。
結論として1株3,933円
(ホ) 算定方式採用理由・要旨
  • 純資産方式は取引相場のない株式価格算定のための一方式にすぎないが、本件ではその他の方式採用のための基礎的事実関係を認めるべき資料がない。
  • 対象企業の業種、規模、人的構成、株式の支配状況等の事情からも、純資産方式の具体的合理性は肯認できる。
  • なお、対象企業所有の不動産の簿価額が時価額を超えると認めるに足りる証拠はない。