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第1 非上場株式の譲渡手続と株式の評価

4 判例
(2) 東京高裁 昭47.4.13決定( 事件番号:昭45(ラ)488号 )
(イ) 事案の概要
対象会社甲社の株式の売買価格につき、原審が1株2,500円と決定したのに対し、指定買受人が抗告した事案
(ロ) 対象企業の特性
(業種) 製品梱包作業請負業
(規模) 資本金1,000万円
純資産5,412万5,318円
(ハ) 株主構成
対象株式は1000株(全体の5%)
譲渡人は、対象会社を社長とともに設立した原始株主
(ニ) 採用された算定方式
純資産価額方式を重視(同方式による算定価額は、1株2,706円であるが、結論として2,500円とした)。
(ホ) 算定方式採用理由・要旨
  • 過去の取引事例は偶然の場合であってかつその価格(500円)が券面額と同一であることの合理性を認めるべきものはなく、また、一般利子率による逆算は抽象的に過ぎて適当でない。
  • 類似業種比較の方法はよるべき資料はない。
  • 本件の如き閉鎖的会社の株式価格においては端的に会社の資産状態そのものを最も重視すべきであって、各株式の化体する会社資産の割合が基本となる。
  • 相手方(譲渡人)は、もと申請外会社にて対象会社甲社の社長のもとで部長として従事していたが、社長兄弟間の内紛の結果甲社が設立された際も、社長に従って常務取締役をしていたが、会社が一応の軌道にのるとともに次第に疎んぜられ、不本意ながら辞任せざるを得なくなった。この点も本件株式の価格を決定するについて事情として相手方に有利に加味さるべきである。