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第1 非上場株式の譲渡手続と株式の評価

3 株式の価格の算定方式
(1) 純資産価額方式
(イ) 純資産価額方式は、企業のストックとしての純資産に着目して、企業の価値及び株価等を算定する方式です。この方式による評価は企業や株式の静的価値を表すものであるといえます。
会社法144条第3項は「裁判所は、前項の決定を為すには、譲渡等承認請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない」と規定しており、譲渡制限株式の売買価格を決定するに当たっては第一に考慮されるべき方式であると考えられます。但し、この方式は、企業の静的評価であり、企業評価に重要な収益力が反映されないという欠点があります。
純資産価額方式には、簿価純資産価額方式と時価純資産価額方式があり、後者はさらに、再調達時価純資産方式と、清算処分時価純資産方式とに区分されます。
(ロ) 簿価純資産価額方式は、時価の算出が困難な場合などにおいて、計算が簡便であるとの利点がありますが、簿価純資産が名目資産であるため、地価の高騰などによる名目資本と実質資本の乖離が大きい場合には、適正な株価算定を行うことはできないとされています。
(ハ) 清算処分時価純資産方式は、処分価額を用いる方式で清算処分することを前提としているので、解散を前提としている会社に適する算定方式であるといえます。
(ニ) 再調達時価純資産方式は、同一の事業の継続を前提としており、現時点で事業を開始した場合と同様の価値を算定する方式です。
また、一般に支配株主等が取得する株式等の評価において考慮される方法です。